「ごほうび」は豪華すぎると逆効果だよーって実験
「やりがい」と「楽しさ」の両立はなかなかむずかしいわけです。
「やりがい」だけ追い求めるとなんだか虚しい人生になりますし、「楽しさ」だけ追い求めると怠惰になってしまう…
うーん、むずかしい。
さて、私はあまりお金に対する執着がないんですが、イギリスのリチャード・ワイズマン博士の「ごほうび」に関する実験が少し気になったので紹介します。
これは参加者を「かなり高額の謝礼がもらえるグループ」と「ごくわずかの謝礼をもらえるグループ」に分け、1時間公園のゴミ拾いをさせたもの。
その後、楽しさを10点満点で尋ねたところ、
- 謝礼の多いグループは平均がわずか2点!
- 謝礼の少ないグループは平均がなんと8.5点!
だったそうです。
ここまでちがうもんなのか。
たしかにあまりに高額もらえるとなると変に勘ぐってしまって心から楽しめないのかもしれませんね。
私なんかはただの散歩でも「楽しかった」と思えますが、父親に「1000円あげるから散歩行くぞ」と誘われても楽しめないんだろうなぁ。もちろん得した気分にはなりますが。
この実験では「楽しさ」を尋ねたからこういう結果になったんだろうなーとは思いますけどね。
「やりがい」を聞いたら結果はどうなるのかなー。
というわけで、報酬では楽しさは変わらないので、「作業に対する心の持ちよう」に気を付けようかなーと思います。
「愛の吊り橋効果」はドキドキの対象が美人じゃないと意味ないぞという無慈悲な実験
「愛の吊り橋効果」って皆さん聞いたことありますでしょうか?
一応説明しておくと、「相手に好意を抱くからドキドキするんじゃなくて、ドキドキするから相手に好意を抱くのでは?」という仮説を試した実験でして、実際に吊り橋を渡った後に女性を評価すると魅力が高まることがわかってます。
実際は「おばけ屋敷でのドキドキが相手への恋心だと勘違いする!」というネタが最も有名かと。
で、おもしろいのが「愛の吊り橋効果って美人じゃないと意味なくね?」ってのを試しているところなんですよね(笑)
1981年に行われたホワイトさんたちの研究で、男性を15秒または120秒走らせ、ドキドキさせたそうな。
もちろん120秒の方がドキドキは強いわけです。
その後、美人またはあまり美人ではない女性の自己紹介ビデオテープを見せたところ、
- よりドキドキした(120秒走った)場合、美人への評価は高まった!
- よりドキドキした(120秒走った)場合、あまり美人ではない女性への評価はむしろ下がった!
というとんでもない結果になったそうです…。
ドキドキが「好意」ではなく「イライラ」に帰属されてしまえばそうなるだろうなーって感じですね。
というわけで、愛の吊り橋効果は相手が美人じゃないと意味がないのでご注意を。
個人的に興味をもったのが、「美人とブスを用意するのは気の毒だ!差別だ!」という批判に備え、1人の女性をメイクなりファッションなりで魅力を調整してたってところですね。
実験のこういうところがなんか好きだなぁ。
【参考】
ダイエットに効く7つの心理テクはこれだ!
というわけで7つまとめます。
【目の前に食べ物は置かない】
お菓子をオフィスのデスクにしまうだけで食べる量が3分の1になると以前書きました。
それに似た実験では、チョコレートを社員の近くに置くと消費量が約6倍に増え、透明な容器に入れた場合、不透明な容器に入れた場合と比べ消費量が1.46倍増えたそうです。
また、 コーネル大学のブライアン・ワンシンク教授は、底に穴のあいたスープ皿を作り、隠された管を通して皿に スープを注ぎ出せるようにしたところ(何やってんだ。)、 底なし皿の場合は普通の皿の場合と比べ、
- 飲んだスープの量が1.75倍になった!
- しかも本人たちは大量に飲んだことを気づいていなかった!
とのことです。
要するに人間は「満腹感」ではなく「食べ終えた感」で食べる量が変わるってことですね。
【食べることのみに集中する】
面白い話を聞きながら食べている人は、黙って食べている人と比べ、
- 食べる量が1.15倍だった!
とのこと。
これが積み重なったらそりゃ大きな差になりますよね。痩せたい方は食事中のスマホやテレビは控えましょう。
【小さな食器で食べる】
またまたブライアン・ワンシンク教授の実験。パーティーにて 大小分かれたスプーンやお皿を渡しアイスクリームを好きなだけすくい取ってもらったところ、
- 大きなスプーンを渡された人は14%、大きなお皿を渡された人は31%多めにすくっていた!
という結果になったそうです。
別の実験でも大きなスプーンだと2倍の量粒チョコが消費されたとのことなんで、私も気をつけたいところ。
友人をパーティーに呼んで実験するのがほんの少し狂気じみてて好きです。どんだけ追求したいんだ。
【飲むなら細長いグラスで】
またまたブライアン・ワンシンク教授(とカート・ヴァン・イッターサム)の実験です(笑)
学生たちに「背が低くて口の広いグラス」と「細長いグラス」にウィスキーを注がせたところ、
- 背の低くて口の広いグラスは注がれる量が1.3倍だった!
また、ベテランのバーテンダーに注がせた場合も
- 平均1.2倍だった!
とのこと。
なんでも中に見えるアルコールの高さで判断してしまうそうで。
プロでも錯覚してしまうからこわいもんです。
【食事日記をつける】
カイザーパーマネント健康調査センターが行った研究によると、自分が何をどれくらい食べたか記録をつけると減量効果があるそうです。
実際に、 実験では食事日記をつけた参加者は日記をつけなかった参加者の2倍体重が減っていたとのこと。
日記と言っても食べたものを書くという程度でOKだそうです。
【鏡を食べる場所に置く】
アイオワ州立大学のステイシー・センティルスとブラッド・ブッシュマンの研究の実験。高脂肪と低脂肪のマーガリンをスーパーに来た約1000人の客に勧めたところ、
- 鏡を置いた場合、高脂肪のマーガリンの売れ行きが低脂肪のものより32%低くなった!
だとさ。
鏡に映る自分の姿を見ると理想の自分に近づこうとするというのは有名ですよね。
髪整えたりするのも同じ原理ですしね。
【小さな袋入りは逆効果(?)】
オランダのティルブルフ大学の研究。参加者を二つのグループに分け、片方にはチップスの大袋を2つ、もう片方には「ダイエットパック」を9袋渡し、体重を測定。
ダイエットを意識させたんですね。
そしてチップスを食べながらテレビを見させた結果、
- ダイエットパックを渡されたグループは大袋を渡されたグループの2倍食べていた!
とのこと。
個人的には「ダイエットパック」という言葉で自制心がゆるんだからだと思います。
ただの小分け袋だったらむしろ大袋より食べないような気はしますが…どうなんでしょう。
というわけで、以上7つでした。お試しあれー。
【参考】
- 作者: リチャードワイズマン,Richard Wiseman,木村博江
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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幸福にいちばん大切なものは○○だ
答えは「良好な人間関係」です。これはもう科学的にガッツリ認められてるようで。適当にいろいろ挙げていきますねー。
心理学者ジョージ・バイヤンはハーバード大学の268人の男子大学生を70年間追跡した結果、
- 周囲の人との関係が何にもまして重要であることが実証された!
そうです。
また、同じく心理学者のエド・ディーナーとロバート・ビスワディーナーは幸福に関する20年ほどの研究を調べ、
- 人が生き生きと暮らすためには、食物や空気と同様に、他者とのつながりが欠かせない!
と結論づけています。
他には、ソーシャルサポートに恵まれる人は
- 寿命が長い!
- 挫折から立ち直る能力が高い!
- 喫煙、高血圧、肥満、定期的な運動が寿命に与える影響に匹敵する!
等、とにかく良い結果ばかりです。
ショーン・エイカーの研究によると、
- 周囲の支えと幸福の相関係数は0.7!
だそうです。0.5を超えれば相関は大きいと言えるので、ナイスすぎますね。
皆さんも周りを大切にしましょう(シンプルな終わり方)。
【参考】
幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論
- 作者: ショーン・エイカー,高橋由紀子
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○○の回数を数えると自尊心が高まるぞ
『ジャーナル・オブ・ハピネス・スタディーズ』誌に掲載された日本人女性119人を対象にした実験で、71人の女性に対して「自分がした親切の回数」を数えるよう指示したところ、
- そのうち約30%がとても幸せになった!
- その他も全員幸せになった!
そうです。『親切は脳に効く』の著者であるデイビッド・ハミルトンによると、
これは、自尊心が高まったからだと私は思う。(中略)
親切の回数を数えると、自分は思っていたよりもずっと親切な人間だったという結論を出す人が多い。
そのとたんに、想像していたよりも他の人の役に立っている自分に気づくのだ。
とのこと。
意識の配分だけで自尊心が高まるのは良いですね。
私はとくに自尊心が低いとは思わないですが、たまーに親切を数えてみようかなと。
【参考】
習慣化するには20秒縮めましょ
今回はショーン・エイカーの「20秒ルール」について。
簡単に言ってしまえば、「良い習慣をつけたけりゃ手間を減らせ!悪い習慣をやめたけりゃ手間を増やせ!その基準が20秒だ!」ってかんじです。
20秒という数字に厳密な科学的根拠はないとは思いますが、なんとなく感覚的にはわかりますね。
- 運動をするための準備は30秒くらいかかるからめんどくさくなる
- 携帯は5秒で届く位置にあってついつい触ってしまう
- わざわざ家を出てコンビニに行ってまでスイーツを食いたくはない
- 外食は基本家の近く
- 大学時代よく遊ぶのは家が近かった友人たちだった
あたりが個人的には思い当たりますねー。
というわけで、スマホ触るのをどうにかしたい私は、使わないときは隣のさらに隣の部屋に置いておこうかなと思う次第です。
【参考】
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人生の45%は習慣だからそこに力を入れるしかないですよね
「習慣」もなかなか興味のあるテーマなんで今後書いていこうかなーと。
なかなかおもしろいんですが、いくつかの研究によると、10代の若者は「テレビを見ているとき」と比べ、
- 「趣味に没頭しているとき」の方が2.5倍楽しいという感覚になっている!
- 「スポーツをしているとき」ではなんと3倍!
だそうです。しかし、彼らは趣味やスポーツの4倍の時間をテレビに費やしているとのこと(笑)
それだけ習慣の力はとても強い!ということなんですよね。
2006年のデューク大学研究(1)によると、「人生の45%は習慣でできている」そうです。
30%は睡眠だとすると、人生の3/4はほぼ固定的だというわけですね。
「えーそんなに!?」と思いますよね。
個人的にはそういった無意識であることがいちばん怖いところだと思います。
10代の若者たちも無意識のうちに習慣(テレビ)に吸い寄せられてるんでしょうし、喫煙やダイエットがうまくいかない人も無意識の習慣に影響を受けてるんでしょうなぁ。
というわけで基本的なお話はここらで。またー。